英国でポスドクをして大学教員になった若手研究者のブログ

ポスドクの研究留学日記的なブログ

2012年4月18日水曜日

学振(がくしん・JSPS)

今日は経済のお話。と言っても僕の生活を支えるものに限る、ですが。。。
昨日まで「日本学術振興会海外特別研究員」とやらの申請書類を書いていたわけですが、今日はそのいわゆる「学振」とやらのことについて書いておこうと思います。

日本学術振興会、いわゆる「学振」または「JSPS」は日本学術会議という内閣府の特別機関と関係を密にする独立行政法人です。ま、日本学術会議付属の財団みたいなものでしょか。(正式には違うけど。)僕らにとっては、研究を続けるための経済的な援助をしてくれるありがたい機関なのです。そう、研究資金(俗に言う科研費)をくれたり、博士学生やポスドクに給料をくれたり(本当は給料ではなく、研究奨励金と言いますが・・給料みたいなもんです。)と。このような支えがあってこそ、研究に専念できる経済環境を整えることができるわけで、僕らにとっては無くてはならない機関なのです。
もちろん、皆さんの予想通りその資金は国民の皆様の税金からいただいているわけで、個人的には頭が下がる思いですね。←見栄っ張り?(笑 いや、多少は本当に思ってるけどw

軽くその学振の内容を説明しておきましょう。国内の申請枠は主にDC1, DC2, PDとあります。 DC1は修士2年の春に申請し、約半年の審査の可否によって合否が通達され、博士1年の時にからお金をいただくことができます(3年間)。DC2は博士1年もしくは2年の春に申請し、その後は同様に審査を通過すれば次年度の春からもらえます(2年間)。PDは博士3年〜35歳までの研究者が申請し、後は同様です(3年間)。書類審査が主で人によっては面接試験まであるのですが、何と言っても書類が大変です。これまでの研究結果の総括、これからの研究計画、研究内容の意義(独創性等)、自己評価(自分を褒めるのは少し恥ずかしいのですが。。。)、評価書(これがおそろしい。自分のBossの評価で本人は見ることができません。)、研究業績(発表論文、学会発表、受賞など)です。
だいたいこれで10枚くらいの文章書かなきゃならないですから、本当に面倒なのですが、「経済支援をしてくれるのなら!」と非常に多くの若い研究者が申請するのです。合格率は15~20%で、けっこう低いので萎えますが、競争社会ですので仕方ありません。

さて、昨日まで僕が書いていたのは、「海外学振」というものです。これは海外の大学や研究機関での研究を希望している人のためのものです。私はそろそろ渡英しますので、来年の経済支援を申請するために書いていたわけですね。内容はDCやPDとほぼ同じですが、自己評価ではなくて、海外で研究する意義、を書かなくてはなりません。Bossの評価書も長いですね。中身は見られませんが。。。

興味を持ってくれる人で気になるのが、その支援の金額でしょうが、そこまで多くはありませんよ(笑 血税ですからね。 もちろんボーナスもありません。 あえて額面は書きませんが、公表されているのでどしても気になる人は見てくれれば良いと思います。
http://www.jsps.go.jp/j-pd/index.html
http://www.jsps.go.jp/j-ab/index.html

税金をこんなに使ってるのか!!とか、無駄遣いだろ!!とか思う人も多いと思いますが、僕個人としてはありがたい支援機構だと思っています。ですから、渡英してもまじめに頑張るつもりです。←ほんとか?^^;

実はこの手の支援は政府の決める予算によって多くなったり小さくなったりします。数年前「2番じゃだめなんですか?」と言って大批判を浴びた女性がいましたが、このようなさじ加減によって簡単に削減されてしまいます。
余談ですが、この「2番じゃだめなんですか?」発言の後、日本の学会という学会のHPのトップページに抗議文みたいなものがでかでかと掲載されていたのに、衝撃を覚えた記憶があります。あれは、完全に日本学術界に対する挑発でそれを真正面から受けて立ったって感じでした。ま、余談です。
そういう訳で、予算が削られれば額面は小さくなるし採用人数も削減されるしで、僕としては困るんですね。血税ですから仕方のないことですが、僕らみたいに「一応(笑)まじめにw」将来のために研究してる人のために、もう少し支援の幅を大きくしていただいてもよろしいのでは?と思います。賛同が得られるかは解りませんが。

正直、今回の申請は僕の渡英期間を延長できるかの命綱に近い物があります。これから渡英して3月までは食べていけるのですが(この話のDC2の2年目なのです。)、来年4月からは全く不透明な状況です。心配ですねー。。。
でも海外学振って助教の先生とかも申請するので、レベルがとっても高い!っていうのが僕の印象です。業績とかとてもじゃないけど勝てませんよ(泣 実際、採用率も海外学振だけ少し低いですし。。。 うん、申請したはいいけど、非常に難しいでしょうね。
諦めたわけではないですが、他の財団の支援にも申請する必要があるでしょうね。それはまた書きます。

ということで、僕の渡英を応援してくれるみなさん!それからこのブログを読んでくれる皆さん!少しばかりで良いんで、通るようにお祈りしてくださいね☆

ち〜ん(-人-)

それでは今回はこれまで!!


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